広告とか人間とかのネタ帳

電車の中でも誰かを出抜くときでも!PC・スマートフォンで絵と動画と文字で見て読むコラム

vol.38 罪悪感が未来行為を変える

罪悪感を感じる時とは

何かを頼まれてそれを拒絶したとき?
相手に損ばかりさせてしまってるとき?
一文の得にもならないことをさせてしまってるとき?


おそらく一般的には、罪悪感って「ネガティブ」に捉えられている。
(ポジティブな罪悪感の時があれば紹介してください。)


 自分が罪悪感を覚えた時って、反省の念を抱いていることが多い。
つまり、相手の善意ある行為に対して、期待通りの応答が出来ない自分に憤りを感じている場合がそれに当たるんじゃないかと思う。そして、人はこういう場合、「憤りを感じている自分」と「期待に応えようとする自分」が相反している状態に均衡を保とうとする。簡単にいえば、自身の精神バランスを持とうとする。これを認知的不協和と呼ぶみたい。

 もし、この認知的不協和、つまりここでいう罪悪感を相手に巧く覚えさせることが出来たら相手より優位な立場になれるんじゃないかと、私は思っちゃいました。

 ではどうすればいいのか。それは本当に簡単なことで、相手(自分)が罪悪感を感じるシチュエーションを自ら作ればいい、ただそれだけです。これだと当たり前のことを言ってるだけになっちゃうから例で考えてみましょう。


 例1:今日はA君と久々の遠出で、新幹線やご飯やお土産と、出費がかさむ。そんな昼下がり、なにやらA君の様子がおかしい。話を聞くと、彼は少額のお金しか持ってきていなかったようだ。歩く疲れて、お腹もペコペコ、このままではA君は晩ご飯を食べることが出来ない。A君は意を決して言う、「お願いだ、お金を貸してくれ!」。一方の私は、こんなこともあろうかと想定以上のお金を持ってきていた。けれど、タダで貸すには気が引ける。この機会を利用して、この後の旅の主導権の握りたい。そんなときは、苦しそうにお金を貸そう。それも、今後の生活はあなたのお陰でギリギリになるわ、これはなけなしのお金だよ的なオーラがあればベストだと思う。

 そうすれば、相手に罪悪感を植え付けることができ、旅路における主導権はあなたのもの!


 例2:いつも飲みの誘いをしてくるあの子。飲みに行ってもいいんだけど、どうにも日程が合わずにいた。そして今日もいつものように誘いのメールを送ってくれる。幸いなことに、今日は早上がり!飲みに行ける!だけど、普通に返答するのもなんだか勿体無い。何か良い返事はないものか。そこで彼はこう返した、「今日は今期プロジェクトの山場を超えそうで、なんとか仕事も終わりそう。ってか終わらせるから、19時に○○屋で待ってて。」ポイントは、罪悪感を覚えさせることで恩を着せるためではないこと。今回はプロジェクト中にも関わらず、が重要であったようだ。

「忙しい中、申し訳ないな」って思わせるのって男性からしたら大変かもしれないけど(大胆にやると女子は見抜くから)、直接的な表現を用いらずに伝えることが出来れば、優位な関係を築けるんじゃないかと思うわけです。


 人の感情って本当に面白いもので、ちょっとのことで行為や決断を変えてしまう。それが我によって湧いた感情と自分では思うけど、結局は周囲の環境によって簡単に左右されるものである。逆に言えば、その環境を作り出すことが出来れば、その主導権は言わずもがな自分のものとなる。今回の罪悪感なんて、人間の内的動機に相当な影響を与えるものだ。それを操ることが出来れば、ちょっと人と接することが面白くなってくるんじゃないかな。


 

相手を自在に操る ブラック心理術 (日文新書)

相手を自在に操る ブラック心理術 (日文新書)

人の心を操る技術―マインドリーディングと話し方で交渉もコミュニケーションも上手くいく

人の心を操る技術―マインドリーディングと話し方で交渉もコミュニケーションも上手くいく