vol.39 強がることで羞恥心を隠蔽させている
名誉は名誉のままで
誰しも目の前で話している彼(彼女)の本質を見抜けている人はいないと思う。
さらに大体の人は本質を見抜かれたくないと思っている。だからこそ、
自分自身を隠し偽り演じることで、多様な人間社会で生き抜くことが出来ている。
そして、顕在的に提示されている情報によって区分しカテゴライズさせている。
それは、
「この人頭良さそう」であったり(実際は違うのに)
「真面目そう」であったり(実際は違うのに)
「面白そう」であったりもする(実際は違うのに)
その評価が気に食わなければ否定すればいいけど、
ポジティブな評価ではそうはいかない。
それはやっぱり、欲しかったモノを捨てる人はあまりいないからで。
その時働く心の動きとしては「どうせなら・・・」
なんてことを思っちゃう人がいるんじゃないだろうか。
*1
「お前は本当になんでも知ってるよな」
「うん!任せておいてよ!」
(たまたま知ってたけど、どうせなら、このままの評価でいておこう)
なんて具合に。
強がらせておこう
こうして、「本当は違うけど」みたいな自身の羞恥を隠して、
強がっている人は往々にしていらっしゃる。
だいたいの場合は、これで相手側の方が優位な状態になってしまう。
上記の例(*1)の場合で言えば、相手側が物知りであるという評価のまま終わる。
それじゃ、こっちとしては一本取られたというかしてやられたの状態である。
だからこそ、こういう場合にはあえて強がらせる、というのが使える。
つまり、本当は知らない(違う)であろうことを、さも常識のように発言するのだ。
「では、皆さん、忙しい中私のプレゼンに時間を割いて頂いてありがとうございます。もちろん、十分にご承知であると思いますが、当プロジェクトの成功は弊社のステップアップさらに大きなる前進となり得るものです。そこで、既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、このプロジェクトを後退させていた要因としては、一つに●●●が不足していたことが挙げられます。この業界においては常識化していたであろう●●●の欠落は当然のように、当プロジェクトの前進を阻んでおりました。私はそこの着目し、このような改善案を持ってきましたー。」
この例では、凄い多用していてうざいくらいですけど、
相手には、さも常識であるような、さも重要である印象は植え付けました。
知らないなんて恥ずかしいって思わせてしまえばこっちのもんです。
後は、自分が考えたことを自分らしく言うだけで、相手は何の反論も出来ません。
たまに反論してくる人もいるけど、それはまだ強がってるだけか痴呆症の二択です。
このようにして、人の虚栄心を見抜いてそれを意のままにする。
隠そうとする心理状態を、逆にこっちが使わせてもらう。
少しのやり方で相手は知らず知らずのうちにこちらに臆病になってしまうという手法でした。
こういうのもやり過ぎには注意ですけど、巧みに盛り込めるようになれれば、相手を説得させる場合などに有効かもしれませんね。
日本人って愚かですよね。群集心理というか長いものには巻かれとけというか寄らば大樹の陰というか。「常識」という大きいものに対しては攻め入らないし、自己主張を止めてしまう。知らないことでも知っていると言っちゃう感じとか、わからないことを恥と思っちゃう感じとか。見栄とか見栄えとか、そういうのうんざりしちゃいます。
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